「柚子の花咲く」(著・ 葉室麟)

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村塾の教師・梶与五郎が殺され、与五郎の過去、賭博にふけり女郎部屋に出入りしていたと、挙句に不義密通をしていて相手の女性の夫に殺されたという話が。。。かつての教え子・井筒恭平が真相を探ろうとします。
そこには思いもかけない危険が。。。。。というお話で、それぞれの価値観のお話だったかなと思います。
で、そこに、思う通りに行かなかった人間関係があります。
親子の、思いを寄せる男と女の。
そして、生き方がありました。

読後感は爽やかでしたが、やはり、切ない人たちがいました。これまでになく切ない人が多かったです。

被害者の梶与五郎がもっとも切ないです。
優秀な家老の息子に生まれながらも妾腹の子で、邪険にされて育ちます。元服するまで母親に会うことも出来ず。。。その後も。
で、ともに裏切られ、座敷牢に入れられ、好きな女性とも一緒になれず、そこから逃げて、ようやく自分の人生を歩き始めます。
そして生きがいを持ち。。。。そこで殺されちゃいます。
が、彼の教え子たちは、彼が描いていた、望んでいたように育ったようです。真っ直ぐに生きている子たちでした。
が、やはり切ないです。

で、彼の死をまず探ろうとした、与五郎の教え子で、井筒恭平の友でもある穴見孫六が殺されてしまいます。
彼は与五郎に会いに来た女性・琴に憧れていました。彼もまた真っ直ぐな性格で、生き方をしていました。が、殺されました。切ないです。

で、梶与五郎と思い合っていたのに一緒になれなかった琴も切ないです。
彼女は与五郎の友・土屋新左衛門に乱暴され、囲われ。。。それを知った土屋新左衛門の妻、さなえに救われます。
そして与五郎の母親の元へ。 でも切ないです。与五郎への思い一筋でした。

で、その土屋新左衛門の妻のさなえは、与五郎の婚約者でした。さなえも切ないです。
さなえは与五郎が好きでした。でも与五郎が琴と。。。挙句に与五郎が勘当されてしまい、結婚の話がなくなり、土屋新左衛門と結婚することになりますが、思いは与五郎に。。。
土屋新左衛門に心を開けないでいましたが、土屋新左衛門の思いは琴に。そして、信頼できる男でもありませんでした。
さなえも切ないです。

で、その他にも青葉村の庄屋である儀平とおようの夫婦も。儀平と思い合っていたのに一緒に慣れず、乱暴者と結婚して死んだお咲も。

で、最後まで与五郎を受け入れられなかった父親の鵜ノ藩家老の永井兵部も。
そして自害してしまった土屋新左衛門もまた。。。

真相を探っていくサスペンス的なものは前半いろいろ展開していきますが、後半は会っていく人たちが、それぞれの行いや思いをどんどん話していくので、そうだったんだ~という感じで流れていきます。

ラスト前にグッと感動する盛り上がりがあるので、それでまたグッと引き締まります。

で、ラストは幸せな井筒恭平がいて、子供たちがいて、
与五郎の思いが。。。。。花開いたようです。

与五郎の父親・永井兵部は道を変えたようですし、爽やかな風の中にいるようでした。

もう少し、葉室麟を読みたいと思いました。



内容(「BOOK」データベースより)
一人の武士の遺骸が河岸で見つかった。男は村塾の教師・梶与五郎。かつての教え子・日坂藩士の筒井恭平は、師が殺された真相を探るべく隣藩へ決死の潜入を試みる―。命がけで人を愛するとは、人生を切り拓く教育とは何かを問う、感動の長篇時代小説。

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