「輪違屋糸里」(著・浅田次郎)

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幕末、新選組の芹沢鴨の暗殺事件を描く、
京都島原の天神・糸里を主人公に、平山五郎の恋人の吉栄、芹沢鴨の愛人のお梅、郷士の女房おまさとお勝の人の女たちの視点で描いた、浅田次郎の小説です。<女性中心に描かれた新選組もの>かなと思います。

文久3年(1863年)9月18日深夜、新選組筆頭局長芹沢鴨が屯所の壬生八木家で試衛館派に襲撃され、
芹沢鴨と副長助勤平山五郎は殺され、芹沢と一緒だった愛人のお梅も惨殺されますが、
副長助勤の平間重助は逃亡し、平山五郎と一緒だった芸妓の吉栄、平間と一緒だった糸里は難を逃れたというところで、
話を広げていった感じです。

新選組局長、芹沢鴨に無礼打ちされた音羽大夫の妹分の天神糸里が土方歳三に思いを寄せていたということで、
芹沢暗殺のために土方を手伝うということですが、
単に純粋で一途かと思ったら、自分をしっかり出す女性で、私にはよくわからない女性でした。
彼女が主人公かと思ったら、

芹沢鴨の愛人のお梅が、

新選組は壬生の郷士八木家と前川家を屯所としていましたが、その八木家の女房おまさと前川家の女房お勝が、

永倉新八が、

土方歳三が、

沖田総司が、

と、その時々で、一人称を使って主人公のように話が進みます。

それぞれのことが、その立場で、描かれることによって、見方が広がります。

が、一番は芹沢鴨です! 一般に伝えられている乱暴な芹沢鴨とは違います。
お酒に酔うのにも、乱暴をするにも理由があって、その為にしていて、
酔っていない彼は、大きな器で、考えも深く、いろいろなことに気が付き、目もいきます。
沖田総司の病気にも、一人彼だけが気が付きます。
で、やさしく、花を愛でたりもします。

先日再放送で観たTVドラマ「新選組血風録」(2011年)でも、芹沢鴨とお梅が描かれていて、それまでとは違って、その立場と思いが描かれていましたが、これではしっかりと描かれています。その立場と思いが。
見方がグンと変わります。ただの乱暴な人じゃないんだって、可哀想な人だったんだ、結局は良い人だったんだ、利用されたんだって。

お梅さんもです。箸にも棒にも掛からない女性かと思っていましたが、悲しい思いで強く生きようとしていたんだと、どうにも出来ない巻き込まれ方をしていったんだと、でも、芹沢鴨としっかり思いが結ばれていたんだと。

で、芹沢鴨と近藤勇が、実は打ち解けていたという。。。そういうこともあり得るかも~と思いました。

で、試衛館派の人たちもイメージが違いました。

永倉新八。そんなに軽い人だったの? おしゃべりだったの? と思いました。
確かに、のちに本を書いていますが、無口で固いイメージを持っていた私です。

原田左之助、隊員の中で一番いい男だったとか、八木為三郎さん(当時の八木家当主・八木源之丞の息子さん)がそう言っていたという話を読んだ記憶があります。結婚もして、仲が良かったとか。
で、永倉新八と仲が良かったそうですが。。。。人付き合いが悪いようには感じていませんでしたが。。。イメージが違いました。

で、沖田総司。彼のイメージも大きく違い。。。
で、芹沢鴨暗殺の前から発病していたのですか?池田屋騒動での喀血からだと思っていました。
で、明るくて冗談を言っていたという話はありますが、辛口をいう人だという話は知りませんし、土方に批判的な面もあったとは知りませんし、土方を非情な人間だと思っていたり、兄弟愛のような思いが煩わしいみたいに思うことがあったとは、フィクションでも思いたくないです(^^ゞ。

で、で、土方歳三に関しては、
ま、いろいろなイメージを膨らませるのも楽しいかなと思いますが。。。。。
でも、糸里にいろいろと自分のことを話す土方はどうも。。。。。で、彼女に惚れていたと。。。。。なのに平間重助にあてがったと。それも芹沢鴨暗殺のために。そして手伝わせたと。どんな非情なこともやったと。。。。
目的のためなら手段を選ばなかったと?
あり得ないことではないですが、考えにくいかなと思います。非情なこともあったようですが、そうでないこともあったようですし、
特に女性に対しては、彼の生き方とか美学を考えたら。。。フィクションなら尚更あり得ないように思うのですが。。。
で、百姓に戻ると言うとは考えにくいです。
いろいろ思うのは、土方歳三ファンだからかもしれません(^^ゞ。
でも、ロマンティックなシーンもあり、まるで考えたことも無い土方歳三でもあり、良かったです。楽しかったです。

で、ラストは平山五郎と一緒だった芸妓の吉栄で、力強く前向きな姿勢です。まず良かったと(^-^)。

上下二巻だったのですが、面白く読んだのですが、何故か読み終わるまで時間がかかりました。
目の調子も良くなかったこともありますが、それだけではなく、本当に面白く読んでいるのに、何故か余り進まなかったです。
不思議です。

浅田次郎原作の映画は、「壬生義士伝」「地下鉄(メトロ)に乗って」「椿山課長の七日間」、
TVドラマは「一路」を観ていますが、小説は初めてです。本で浅田次郎を知れたのも良かったなと思います。

で、「輪違屋糸里」は、この『オール讀物』(文藝春秋)で、2002年8月号から2004年2月号まで連載され、
文藝春秋より2004年5月30日に上下巻で刊行さ、『壬生義士伝』(1998年-2000年発表)に続く浅田次郎の新選組物時代小説ということです。

テレビドラマ化もされていて、『輪違屋糸里〜女たちの新選組〜』として、2007年に2夜連続(全2回)で前後編にて放送され、
上戸彩主演で、土方歳三を伊藤英明、芹沢鴨を中村獅童が演じているそうです。

映画化は『輪違屋糸里 京女たちの幕末』というタイトルで、2018年12月に公開されていて、
糸里を藤野涼子、土方歳三を溝端淳平、芹澤鴨を塚本高史が演じているそうです。
溝端淳平の土方歳三、観てみたいです。溝端淳平、ちょっといいなと思う俳優の一人です(^^ゞ。

でも、ドラマも映画も機会があったら、ぜひ観たいです。
 
最後に、読んでいて気になったのですが、
<会津>を<かいづ>、<新見錦><しんみ>と読み仮名が振ってあったのですが、何故なのでしょう?
京都ではそういう呼び方? それとも私が読んだ本だけ?
<会津>は<あいず>で、<新見錦>は<にいみ>と読むのだと思うのですが。。。。
しっくりこなかったのですが。。。。意味があるなら、説明がどこかで欲しかったです(^^ゞ。

内容(「BOOK」データベースより)
文久三年八月。「みぶろ」と呼ばれる壬生浪士組は、近藤勇ら試衛館派と、芹沢鴨の水戸派の対立を深めていた。土方歳三を慕う島原の芸妓・糸里は、姉のような存在である輪違屋の音羽太夫を芹沢に殺され、浪士たちの内部抗争に巻き込まれていく。「壬生義士伝」に続き、新選組の“闇”=芹沢鴨暗殺事件の謎に迫る心理サスペンス。


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この記事へのコメント

まるぐりっと
2019年10月06日 19:02
tosoleoさん、こんばんは。

あ、お読みになったのですね(^o^)。
私の簡単すぎる読後感とはえらい違いで、さすが
ブログを続けてらっしゃるだけありますね!学校
時代は読後感想文がお上手だったと思います(^o^)
そうなんです、色々イメージが違い過ぎる傾向
があります。が、新撰組に詳しい次男と話していた
ら「作家がそれぞれの切り口で書くのは当たり前」
だそうで、ヒトと同じだと売れないですものね(^_^;)
わたし的には「仕事」を選んだ糸里、店を立て直した
お梅に共感します。お梅みたいな啖呵を切ってみたい
ものですが、アタマの回転が遅くて、即腹が立たないの
で無理みたいです(笑)。子母澤寛のを読んで、再度司馬
遼太郎の「燃えよ剣」を・・と思いながらそのままです(^_^;)



tosileo
2019年10月06日 21:10
まるぐりっとさん、こんばんは(^-^)。

はい、まるぐりっとさんのご紹介で、土方歳三の話だといので、飛びついてしまいました(^-^; お陰様で面白く読みました(^-^)。有難うございました。

私の感想は、いつも中途半端でいい加減なのに、褒めてくださって有難うございます。感想文はずっと苦手でした。本も映画も見たときの思いそのままでいいでしょうが、何をクドクドと~、感想文を書くために本を読むなんて!と思っていましたから(^^ゞ。。

確かに、ご次男さんのおっしゃる通りですね。作者の勝手ですし、他人と同じでは売れないでしょうね。
でも、読む人の気持ちもありますよね。嫌なイメージで作られるのも辛いかなと思ったりもします(^^ゞ。

私は糸里が仕事を選ぶのは良かったと思うのですが、松平容保に言ったこと、その行動とか、
土方の役に立ちたくて、ただその為にしたことのはずなのに、あの別れ方は~とか、そんなところに違和感を持ちました。
で、お梅は、はい、あの啖呵、いいですね。気持ちがいいと思いました。それなりに道理にかなっていると思いますし(^-^)。私は相手が強いと固まって何も言えなくなるので羨ましかったです。即腹が立たないなんて、まるぎりっとさん、すごいですね。やはり羨ましいです。私は後先を考えずに、即腹を立てています(^^;)。

はい、子母澤寛も司馬 遼太郎の「燃えよ剣」も、私もまた読みたいです。が、いつになるやら~です。
読みたい本も山積みです(^^;)。目も気も長持ちしないので、どんどんボチボチしか進みません。
でも、ボチボチ楽しみたいですね。お互いに体第一で、ボチボチ楽しみましょうね(^-^)。