「春雷」(著・葉室麟)

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財政難に喘ぐ豊後・羽根藩、15年前に仕官、やがて御勝手方総元締に任じられた多聞隼人が、藩主・三浦兼清を名君と成すために、領民家中に激烈な痛みを伴う改革を断行するのですが。。。。藩命で黒菱沼の干拓の命が、そこには彼を潰そうという家老たちの思惑が。。。。鬼と謗られる孤高の男の闘いです。
壮絶で、また心を揺さぶられるものがあります。今までの葉室作品とちょっと違うように思います。
これほどの生き様を見せられたものも余り無いと思うほどでした。
私の中で、「陽炎の門」を超えました。

<恐れず、ブレず、躊躇わず>という男の生き方が共通しているかと思いますが、破滅の道を選ぶのも。。。。。

ただ、その在り方が変に生きるよりスッキリしました。
ハッピーエンドが好きな私がそう思いました。

で、一緒に働く学者・千々岩臥雲の言葉で、「この世は罪のないものほどひどい目にあうのだ」という言葉があります。
妙に納得してしまいました。世の中、弱い人間がひどい目にあうようになっているかなと思っていたので。

で、深くものを考える人はいいなと、考えれる人はいいなと思い、信念で生きれる人はいいなと思います。自分にないので憧れます。
で、深く心に住みついてしまうような話でした。

子供の命より藩主の名君としての名の方が大切だという価値観と向き合い、闘った多聞隼人でした。
ただ、その彼をわかった人たちがいました。仲間が。彼は孤独ではありませんでした。
彼の思いは伝わっていき、そして繋がっていきます。
彼の闘いは大きなものでした。救いもありました。
そこにもスッキリ感、爽やか感があるのかなと思います。


内容(「BOOK」データベースより)
鬼隼人、許すまじ―財政難に喘ぐ豊後・羽根藩には、怨嗟の声が渦巻いていた。十五年前に仕官、やがて御勝手方総元締に任じられた多聞隼人が、藩主・三浦兼清を名君と成すために、領民家中に激烈な痛みを伴う改革を断行したためであった。そんな中、誰も成し得なかった黒菱沼の干拓の命が下る。一揆さえ招きかねない難題であった。それにも拘わらず、隼人は家老に就くことを条件に受諾。工事の名手で“人食い”と呼ばれる大庄屋・佐野七右衛門、獄中にあった“大蛇”と忌み嫌われる学者・千々岩臥雲を召集、難工事に着手する。だが、城中では、反隼人派の策謀が蠢き始めていた…。『蜩ノ記』『潮鳴り』に続く羽根藩シリーズ、待望の第三弾!

著者のことば
「一粒の麦もし地に落ちて死なずば、ただ一つにてあらん、死なば多くの実を結ぶべし」
そんな思いをこめて書きました。

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この記事へのコメント

まるぐりっと
2019年11月19日 21:42
tosileoさん、こんばんは。
凄い速さで読んでらして羨ましいです(^o^)

春雷、陽炎の門は読んでいませんで柚子・・は読んだ
かなぁ・・と曖昧コメントですみません(^_^;)m(__)m
これからネット図書サービスで借りた本は記録して
おこうと思いました。ツタヤみたいにレンタル履歴が
出ると良いのですが(笑)20冊位は読んで読後感が
清々しい、とか勇気を貰いました。
葉室麟は夏の「あおなり・・」以来読んでないのですが
「影踏み鬼 新撰組篠原㤗乃進日録」を読みたくな
って、只今予約中です。「恐れず ブレず 躊躇わず」
という葉室麟独特の潔さの美学が彼をどういう風に書いた
のかな?と。


tosileo
2019年11月20日 16:23
まるぐりっとさん、こんばんは(^-^)。

葉室麟はけっこういいペースで読めてしまいました。最近は、どれがどれだっけ?状態になっています(^^;)。私にはこのブログが記録です(^-^;。自分のブログで諸々思い出したりしています(^^ゞ。

「影踏み鬼 新撰組篠原㤗乃進日録」、チェックしていませんでした。葉室麟が篠原㤗乃進に注目した点は何だったのでしょう。伊東甲子太郎の仲間で生き残り、近藤勇を狙い、薩摩軍で活躍しましたが。。。で、篠原㤗乃進が何故影踏み鬼?と小説よりそちらに興味が湧きました。新選組の影を踏んだ鬼?私も何を描いているのか気になります(^^ゞ。彼の良さを知れるかも。いつか読んでみたいです。